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ナシゴレン 炒飯

ナシゴレン(マレー風焼きめし)

「ナシゴレン」は屋台の王様と呼べるほどマレー系・中華系・インド系。どのホーカーセンター(屋台村)に行っても必ずメニューにある定番メニューです。ナシゴレンの説明の前に軽くマレー語を説明しておきます。

マレー語のことを正式にはバハサ・マレーシア(Bahasa Malaysia)と言います。マレー語で日本の皆さんにもっともなじみの深いコトバに「オランウータン」という単語があります。

「オラン」はヒト、人間のことです。「ウータン」はジャングルとか森のコトをさしています。続けて「オラン・ウータン」つまり「森の住人」という意味です。オランウータン(英語:orangutan)はマレー語が世界で使われている単語のひとつです。

マレー語を日本語に引っかけて『人はオラン、飯はナシ、魚はイカン、菓子は食え』という即席講座を聞いたことありますか?まさにこれこそが究極の日本語のマレー語講座なのです。

  • 人 = Orang オラン
  • 飯 = Nasi ナシ
  • 魚 = Ikan イカン
  • 菓子=Kue クエ

人っ子ひとりおらん(いない)、ご飯は無し、魚はいかん(食べてはダメ)菓子は食え(食べてください)』という日本語そのままの発音でそれぞれの単語が当てはまっているのです。

「ナシ」は白いごはんで「ゴレン」とはマレー語で『炒める』という調理方法を意味します。したがって「ナシ・ゴレン」は『焼きめし』のことを指します。ご理解いただけましたでしょうか?

広義では焼きめし=ナシゴレンですが、マレーシアの各民族によってそれぞれ使う香辛料や具材が違います。マレー系・中華系・インド系等々それぞれの民族が料理する「焼きめし」を食べ比べしてみて下さい。

マレー系マレーシア人の作るナシゴレン

マレー系のナシゴレンの代表格といえば「ナシゴレン・カンポン」。チリ(生の唐辛子)がざく切りで入っています。塩味を醸し出す「イカンビリス」と呼ばれるダシじゃこの唐揚げと、粗挽きの黒胡椒やスパイスが特徴。タマゴを追加すると目玉焼き(フライド・エッグ/マレー語ではテロウ・ゴレン)がトッピングされてきます。

サイドディッシュにキュウリの輪切りか粗めの千切り、エビせんべい(クロポッ)が盛りつけられます。「激辛味」なのにサンバル・チリ(サンバル・ブラチャン)というチリの油炒めが添えられてくるのがマレー系ナシゴレンです。

チリ(生の唐辛子)で気をつけていただきたいのが緑色したほうのチリです。真っ赤なチリは見た目に「これは辛いぞ!」っていう姿をしていますが、緑色のチリは要注意。パッと見た感じ「ネギ?」とか「ししとう」や「ピーマン」の切れ端に見えてしまうのです。うっかり普通に食べるとエライことになります。

蛇足ですが、こういう辛いものを誤って食べてしまったとき、冷水を飲んではいけません。沸騰したお湯を冷ました常温の白湯があれば、そのぬるい水を飲んで癒やすのが効果的です。

ニョニャナシゴレン(左)とナシゴレンチナ(右)

中華系マレーシア人の作るナシゴレン

中華系のナシ・ゴレンは総括して具のバラエティが盛りだくさんです。小エビ・カマボコ・中華ハム・炒り卵などが所狭しとひしめき合っています。中華系の特徴は香辛料に塩コショウを使って仕上げに焦がした「しょうゆ味」で香りを添える「チャーハン」系のマイルドな味です。地元では、ナシゴレン・チナと呼んでいます。

重い中華鍋を炎の上でふり続け、米を踊らせる中華系シェフを見ていていると「四千年の中華の歴史」を感じます。マレー系、後述のインド系のコックさんは鍋を振らずに両手に持った金属製のさじで米をひっくり返し、こねくり回しています。中華料理の達人が鍋を振ったナシゴレンは油っぽさを感じません。

ナシゴレン

インド系マレーシア人の作るナシゴレン

インド系のナシ・ゴレンはマレー系同様、香辛料をふんだんに使った焼きめしに仕上がっています。生のチリを多用するのではなくインドカレーに代表されるスパイス・ミックス(乾燥粉末タイプ)で各店独自の辛さを競っています。具の特徴はサイコロ切りした揚げ豆腐、緑野菜の炒め物が入っていることでしょう。

ひとくち食べるとお解りいただけるともうのですが、最初は黒胡椒(ブラック・ペッパー)の印象が口中に広がるのですが、そのあとに苦い香りの香辛料、甘い香りの香辛料、爽快感の広がる(ミント系)香辛料などのハーモニーが舌の上で繰り広げられるのがインド系ナシ・ゴレン最大の特徴です。

まず、油で香辛料の香りをひきだしタマゴを炒めた後に野菜やご飯を入れて黒いテリヤキのタレのようなブラックソースで味付けをするのでやたら色が濃い仕上げになりますが、見た目より味はあっさりしています。