ミーフンクエ 面粉糕 Mee Hoon Kueh Soup 面粉粿汤

ミーフンクエ Mee Hoon Kueh Soup 面粉粿汤

「ミーフンクエ」Mee Hoon Kueh 「面粉糕」は練った小麦粉を伸ばして手でちぎって作る平たい麺を使った料理です。「きしめん」よりも幅が広く厚く、山梨県でお目にかかれる「ほうとう」、宮城県登米地方に伝わる「はっと」に似ています。

水と塩で練り込んだ小麦粉を一晩寝かせてゴルフボール大に小分けして、手延べするか?麺棒や小型の製麺器にかけて薄く平らに伸ばします。伸ばした小麦を、一片あたり板チューインガムのサイズに手でちぎりながらグラグラ沸騰している熱湯に入れて茹で上げます。

手でちぎって鍋に投入するのでカタチはいびつですが、不揃いこそミーフンクエの特徴です。ゴルフボールのサイズ2~3個で一人前のボリュームです。時間にして約2分弱、麺がゆで上がったらザルですくい上げ、水気を切ってドンブリに入れてスープを注ぎトッピングを載せます。

スープは鶏がらスープを沸騰させておきミンチ肉(鶏かブタ)を入れ煮立ててダシを効かせて、しょう油と塩で味を整えドンブリに注ぎます。福建語でミーフンクエといいますが、広東語ではパンミー:板麺といます。両者共に同じ料理です。

ミーフンクエ Mee Hoon Kueh Soup 面粉粿汤

トッピングは、小松菜のおひたし、ソーテッドベジ(塩漬けの野菜)、薬味ネギそして唐揚げにした「イカンビリス」(小魚の干物:32章参照)をパラパラとふりかけたら出来上がりです。アツアツの「ミーフンクエ」をフーフーいいながら召し上がって下さい。

麺の食感は、表面がヌルッとして噛みごたえあるコシのある麺ですが、食べ慣れるとその中途半端な歯ごたえが美味さに感じてきます。

山梨の「ほうとう」登米地方の「はっと」に似ています

練った小麦を寝かせて延ばしてちぎる平べったい麺。山梨に伝わる「ほうとう」や、宮城県の登米につたわる「はっと」によく似た料理といえます。

「ほうとう」は山梨を代表する郷土料理。小麦粉を練った平打ち麺に、かぼちゃ、芋類、きのこ、季節の野菜、肉などの具材を加えて、味噌仕立ての汁で煮込む素朴な料理です。古くは戦国武将、武田信玄が陣中食にしていたとも伝えられてきました。

登米市の「はっと」とは、小麦粉を水で練って熟成させたものを指で薄くのばして茹で上げた、ツルツル、もちもちの食感が特徴になる郷土料理です。醤油仕立ての汁で茹で上げたり、お湯で茹でて、あずき、ずんだ、ジュウネン(エゴマ)などに絡めたりもします。

ミーフンクエ

スープタイプと汁なし麺のドライタイプが選べます

ワンタンミーやヒーキャオミーと同じようにスープ(汁)とドライ(乾)を選択できますが「ミーフンクエ」の場合、筆者のオススメはスープタイプ。

スープタイプの調理法には朱色のチリソース(ドライタイプ用)は使えませんので、フレッシュのチリ(赤色)と小粒で激辛のチリパディ(緑色)の小口切りを取り皿に入れ、そこにしょう油を垂らしてお使い下さい。

ラーメンを食べる要領で「白コショウ」をパッパッと仕上げにふりかけるのも「ツウ」な食べ方です。鶏ガラの効いたダシに、「イカンビリス」からにじみ出る「いりこだし」の香りがミックスされてまろやかでやすらげる味覚の料理です。

Mee Hoon Kueh Soup 面粉粿汤

ミーフンクエ・スープ 面粉粿汤

ミーフンクエ ドライタイプ

ミーフンクエ ドライタイプ 面粉粿汤