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東南アジアを旅した経験を持っておられる方は、屋台の軒先に鶏が丸ごとぶら下がった光景をご覧になった記憶をお持ちのことと思います。こうした鶏とご飯のメニューをチキンライスと総称しています。アジアの屋台料理では定番中の定番。それだけに今回、イチオシの名店としてご紹介するお店を絞り込むのにはずいぶん時間がかかりました。
実際、マラッカの住民に「どの店のチキンライスが一番美味しい?」と10人に質問すると10人とも違うお店を推薦する、それほど庶民に定着している競合の激しいメニューなのです。わかりやすく言えば、札幌にすんでいる方に「どこのサッポロ・ラーメンが美味いか?」と聞くのと同じコトなのです。
マラッカ地区以外のマレーシア(KLやJB)に住む人たちや、お隣のシンガポールからやってくる観光客の方には、マラッカのチキンライスならココ!と評判のお店があります。ジョンカーストリートのマラッカ川にほど近い角のお店なのですがこのお店は、グルメ雑誌やテレビでも取り上げられているから人気が高いようです。観光客が押し寄せる繁忙期や週末には1時間待ちも珍しくない、行列のできるチキンライス店なのですが閑散期や平日には、お昼の忙しそうな時間帯でも座ったらすぐに食べられる普通のお店なのです。
遠慮がちに申し上げましたが、グルメガイドブックに載っているお店やテレビで取り上げられているから美味いお店なのではありません。他地区にお住まいの方や旅行者に評判の高いお店でも、地元の人がそっぽを向いているお店って意外に多いのではないでしょうか?
前置きが長くなりましたが、筆者の徹底した取材活動の結晶ともいえるマラッカのチキンライスならココ!というお店をご紹介します。地元の人に親しまれ、平日も週末も変わらずお客さんで溢れている名店です。 |
マレーシアで暮らす中華系民族は、祖先が移住してきた故郷のコトバや生活習慣を代々受け継いでいます。ハイナム(ハイナン)チキンライスとは、中国南西部にポッカリ浮かぶ海南(ハイナム)島出身者が生みだした料理です。
鶏まるごと一羽を白っぽく蒸し上げられたスチームタイプ、こんがり焼き色の付いたローストタイプの2種類の調理法があります。オリジナルは蒸し上げたスチームタイプだそうです。スチームといっても実際には大きな鍋をつかってゆであげます。この時、鶏のうま味を封じ込めたスープができあがります。この汁をつかってお米を炊きあげたのがチキンライスなのです。
鶏スープで炊きあげられた「炊き込みごはん」を蒸し鶏、ロースト鶏をおかずに食べるのが正しいハイナムチキンライスの召し上がり方です。マラッカにしかないチキンライスボールというのは、このご飯が炊きあがってアツアツの時にギュと握りしめたおにぎりタイプのごはんを指します。ご飯かライスボールか?注文の際に聞かれるはずですが筆者は「ごはん」をメインにライスボールを1〜2個ミックスするのが宜しいかと思います。 |
ローストタイプのチキンライス。決め手はこんがり、カリカリに焼き上げられた皮の部分です。しかしマラッカに暮らしているローカルの方々はコレステロールや油分が気になるためか?捨てる方も少なくありません。というわけでローストタイプを注文する方は「皮の部分を捨てないでね!」とオーダーしましょう。
骨付きの鶏を、中華包丁でゴツゴツンと切り分けた後、ごま油としょうゆ味のタレをふりかけ、ネギやキュウリを香り付けにパラパラと乗っけて出来上がり。パクチー(中華セロリ)が苦手な方は注文の際に「パクチーは不要です」とオーダーしておきましょう。 |
炊き込みごはんと、メインのおかず鶏肉に加えスープも重要なアイテムの一つです。ハイナムチキンライスを注文すると自動的についてくるのがこのスープ。鶏をまるごとゆであげたスープの一部はごはんを炊きあげるのにつかいます。その残り汁はチキンスープとして提供されます。キャベツのぶつ切りを柔らかくなるまで煮込み、刻みネギとカリカリに揚げたタマネギを浮かべたシンプルな味のスープですが、コレがなくてはハイナムチキンライスを食べた気になれない大切な一品です。
いうまでもありませんが固形スープストックや、うま味調味料など化学調味料を一切使用していない本格的なスープです。鶏と野菜の自然なテイストを味わえます。 |
ごはん、鶏肉、スープの主役に比較してあんまり目立たない存在なのがチリソース。しかし、グルメな食ツウに言わせると「チリ」こそ味の決め手!と断言します。マラッカ名物、新鮮な赤唐辛子をベースに、ショウガ、ニンニク、ネギ、小タマネギ、そして秘伝のスパイスをミックスしたチリソース。鶏肉に絡ませたり、ごはんにちょっとかけて食べるのが正しいスタイルです。
今回、筆者がイチオシの名店シリーズでこの南華鶏飯店を取り上げたのはチリソースが決め手でした。マラッカで営業しているハイナムチキンライスのお店は各店オリジナルレシピで仕上げています。目隠ししてチリソースを味わって、「あぁ、コレは◎◎店ですね。えーっとコレは△△店のチリでしょう」と利き酒ならぬ、利きチリができるようになれば、チキンライスの達人といえるでしょう。(^^;) |
当サイトのローカルフード攻略法でも紹介しているロッティ・ムアは別名ロッティ・ハイナムと呼ばれています。つまり海南地方出身者がマレーシアに持ち込み現在でも焼き上げているパンなのです。ロッティ・ムアについてはコチラ(別窓)からご覧ください。
お世辞にも「かわいい」とか「オシャレ」とはいえない厳つい感じのメニューですが、3時のおやつにピッタリの軽食です。上の写真左は漢字で書くと「麺包加椰牛油」、マレー語ではロッティ・カウインという名前です。カリッと焼き上げたトーストの片面にバターをタップリ塗って、もう片側にはカヤと呼ばれるココナッツ・ジャムを塗りサンドイッチのように二枚を重ねて作ります。
「ロッティ・カウイン」マレー語のロッティとは「パン」を、カウインとは「結婚」を意味します。つまりバターとココナッツ・ジャムの結婚という縁起の良い名前なのです。
上の写真左は、漢字で書くと「海南麺包」、マレー語ではロッティ・ハイナムと呼ばれています。厚切りの食パンをカリカリにトーストしてバターをタップリ塗ってグラニュー糖をまぶします。見た目はオシャレじゃないけど、味はバツグン。ぜひ一度召し上がってみてください。
カヤ(ココナッツ・ジャム)やグラニュー糖など甘いモノが苦手な方には、バタートーストをお勧めします。写真では紹介していませんが、漢字では「麺包冷蔵牛油」と書きます。マレー語ではロッティ・メンテガ(普通のバタートースト)、ロッティ・メンテガ・スジョー(トーストに厚切りバターを挟んだサンド)をお試しください。 |
写真では紹介していませんが、午前中の朝食時間帯には「海南鶏粥」というチキン・ポーリッジと呼んでいる「鶏肉入り粥(かゆ)」も用意されています。マラッカの激辛テイストで酷使してきた胃と腸に優しいメニューですね。毎週金曜日、ランチタイムには売り切れゴメンの限定メニュー「チキンカリー」も常連さんには引っぱりだこの人気メニューです。
海南出身の中華系マレーシアの方々の多くは飲食店ビジネスで成功しています。今回ご紹介したマラッカでイチオシの海南チキンライス「南華鶏飯店」の創業は1953年。創業者は中国南西にある海南地方からこの地に移住してきてホテルを営んでいたそうです。 |
1966年にこの店をオープンさせたマラッカで最古の正統派ハイナム・チキンライスショップとして地元の人はもちろん、観光客の間でも人気のある老舗です。下の写真は、伝統の味を受け継ぐ創業者ファミリーの方々です。筆者が「マラッカ一丁目」と呼んでいるシティホテル街の真ん中に位置しています。
ルネッサンスホテルから歩いて2分の距離ですのでマラッカにお越しの際は是非訪ねて伝統のチキンライスを召し上がってみてください。「Tony'sNetを見てきた!」とお店で若女将に伝えるとナニか良いことあるかも・・・ |
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