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ヒンドゥ教徒の「光の祭典」 ディパバリ・デー
光の祭典、ディパバリに欠かせない灯火

ディパバリ(ティハール)。日本で生活していると聞き慣れない言葉かもしれません。しかしヒンドゥ教を信仰しているインド人の多く暮らすアジアの各地では、1月1日の元旦やクリスマスよりも大切な記念日としてディパバリ・デーを祝います。ディパバリとは簡単に説明すると「ヒンドゥ教徒のお正月」といったところでしょうか。

マレーシアでもディパバリは3大正月(マレー人のハリラヤ、中華民族のチャイニーズ・ニューイヤー)のひとつとして盛大に繰り広げられ2004年の西暦カレンダーでは11月11日が国民の祝日とされています。ネパールでは11月14日がディパバリ・デー当日でした。

金運、幸運、家内安全、商売繁盛を祈念するしめ縄飾りは生花で作られています。売る人も買う人も真剣そのもの

カトマンズ市内、幹線道路のランナバウト(円形交差点)でディパバリを迎えるためのしめ縄飾りを造りながら売っている人たち。ほとんどの家庭では今でも前日の早朝、御祓をして自家製のしめ縄飾りを作っているそうです。時代の流れとでもいうのでしょうか、買ってきたしめ縄を使う人も増えているようで街のあちこちで売られています。しめ縄に使われている花は生花です。フローラルな香りが、街中にあふれています。

それぞれ家ごとに飾り付けやデザインは異なりますが思いや願いは同じようです

日が暮れて、ディパバリの祭典はクライマックスを迎えます。それぞれの家や商店が工夫を凝らし、神に祈りを捧げ飾り付けをした燭台に火を灯します。まさに「光の祭典」の始まりです。ほわ~んとしたオレンジ色の灯火が街を温かく彩ります。風にたなびくキャンドルライト、可憐なその光を見つめていると心が癒やされます。この日タメル地区の一部エリアでは停電に見舞われましたが、蛍光灯の青白い光が消え、温かな灯火が輝きを増す効果を与えてくれたようにお見受けしました。

願いをこめて、灯火を捧げる人々。キャンドルライトが温かい

ディパバリ祭の飾り付けやキャンドルのデザインは、さまざまなカタチと色で個性を競い合っているように見えますが気持ちはひとつのようです。神に対する尊敬、この一年を振り返り感謝を捧げ、そして新年に対して幸福と安全を祈願する神聖な儀式のような印象を受けました。神々しい祭典に感じたので撮影する前に礼儀正しく「写真撮らせてもらってイイですか?」と確認してからシャッターを切りましたが皆さん全員「ウェルカム」と気持ちよく快諾していただけました。

ネパールの平和維持軍兵士による道路封鎖。タメル地区からクラクションのやかましいタクシーや乗用車が締め出された歩行者天国

夕暮れ時に、どこからともなく駆けつけてきたネパール平和維持軍の兵士たちがタメル地区の商店街のゲートを例外なく封鎖しました。タクシーも小型乗り合いバスも進入禁止にされてしまいました。普段はやたらやかましいクラクションを鳴らしながらカミカゼ運転しているタクシーや乗用車が締め出されたため、歩行者にとってはまさに天国でした。

様々な色の電球でディスプレイされた街は、「ココはおとぎの国かぁ?」と勘違いしそうな幻想的な空間を演出してくれていました。この日、はじめてカトマンズにいらした旅行者の方は「わぁ~なんてステキな夜店なんでしょう。I Like it !」と喜ばれたハズです。(笑)

子供たちが祝いの歌を歌い商店や民家より心ばかりの施しを受ける。街のあちこちで元気な子供の合唱が聞こえる

子供たちにとって、お正月といえば「お年玉」ですよね。ディパバリはヒンドゥ教徒のお正月だと冒頭に解説しましたが、ネパールの子供たちにとって「お年玉」を収穫できる特別な日なのです。わらべ歌とも、呪文とも聞き取れる可愛らしい歌声で各商店やホテルを訪ね歩きます。ほとんど例外なく、何らかのお年玉を手にすることができるのです。

それはポチ袋に入った高額なお年玉ではありません。小銭のコインであったり、ビスケットであったり、キャンディーだったり。施しを与えるヒトも、それをいただく子供たちもお互いがお互いに感謝しながらディパバリの夜は更けていきました。