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グ〜ッドモーニング、皆さま今日も元気にはりきってまいりましょう!元気に行動するためには「朝ごはん」食べなきゃがんばれない人も、朝が苦手でコーヒーだけという方もいらっしゃると思います。今日はこの朝食をテーマに取りあげました。カトマンズでよく見かける西洋朝食(ウエスタン・ブレックファースト)のメニューから、食文化を越えて多民族国家であるネパールの文化のナゾに迫りたいと思います。
ネパールでよくありがちなローカル風西洋朝食(ブレックファースト)
食パン、玉子焼き、ジャガイモ炒め、バターとジャムにコーヒーか紅茶のセット。外国人観光客が出入りするカフェには必ずといって良いほど「セット・ブレックファースト」(西洋朝食)が用意されています。口の肥えた、グルメな日本人には物足りないかもしれませんが、東南アジア地域に比較するとネパールの「パン文化」はかなり高い水準にあります。パン本来の味をキチンと守り、ごくあたりまえのようにサーブされるのはスゴイことなのです。ネパールのパンはホンモノだと筆者は思います。

美味い!香りが高い!食感がモチモチ!そして、一緒に提供されるジャムはちょっと残念ながら並以下の普通の味ですが、バターは激ウマ!バターだけじゃなくチーズもミルクも乳製品の品質はかなり高いと思います。マレーシアを悪く言うつもりはありませんが、バターと牛乳はメイド・イン・マレーシア商品にはいつもガッカリさせられています。牛乳はオーストラリアから空輸しているピンク系紫のパッケージのヤツしか美味しく飲めません。バターもオーストラリアか?ニュージーランド製の商品にこだわって購入しないと香りも味も楽しめません。マレーシアの製品にケチつけてるわけではありませんが、ネパールの乳製品は美味い!
質素なローカル風、西洋朝食セット。ちょっと物足りなさが気になるけど安いからイチャモンは言えませんね
各お店、それぞれがんばって西洋朝食を作っています。なかには上の写真のようなちょっとやぼったい感じの出来上がりを平気な顔して出してくる店もあります。外国人観光客が必要以上に物価を引き上げ局地的なインフレが起こっているタメル地区の真ん中にあるお店の朝食で一人前(上の写真:パン・玉子焼き・コーヒー付き)セットで50ルピーです。

日本円にすると70円しないのですからイチャモンつけたらバチがあたります。文中では玉子焼きと書いていますが、現地では平べったい玉子焼きをオムレツと呼んでいます。フライパンの柄をトントンとたたいてクルクル・フワフワァと巻き込むお馴染みのオムレツとは違います。半生、半熟のオムレツが美味しい!というグルメな方にはちょっと物足りない玉子焼きですがコレが、今日書きたかったネパール多民族国家、文化の融合論を考察するきっかけになったのです。
ネパール風の西洋料理。こういうアレンジができない国は東南アジアにたくさんあります
本題に入る前に、もうひとつの例を挙げておきます。上の写真の右下にジャガイモ炒めがゴソッと盛られていますね。このジャガイモは、ハッシュドブラウンと呼ばれています。ジャガイモに小タマネギの千切り、お店によってはカリフラワーやニンジンが加わり油で炒め、うすい塩コショウで味付けされています。

ほんのりキツネ色に焦げているのが特徴です。日本人がハッシュドブラウンと耳にすると、マックの朝定食についてくるあの小判型した外側がカリカリのポテトを連想してしまいますよね。ネパールのジャガイモ炒めとはずいぶんかけ離れた料理だということはおわかりいただけたと思います。

そうなのです、コレこそがネパールの文化融合論の答えなのです。つまり、外国人観光客が持ち込んだアメリカンスタイルの朝食が現地の調理方法、そしてローカルの人たち嗜好に合わせて変化したのです。言い替えれば西洋諸国とこの国の食文化が融合し出来上がったのがネパール風西洋朝食なのです。

日本の食生活を考察しても同じような原産国は異国で、日本で改良された外来和食メニューはゴロゴロしています。カレーはインドからやって来たと堅く信じている日本人もいるかもしれませんが、日本のカレーは日本流にアレンジされてしまった和食(日本食)です。

ハンバーグも肉汁がしたたるジューシーさは日本で進化したカタチでありオリジナルのハンバーグなんてパサパサしていて私たち日本人にとっては美味しくありません。つまり、ハンバーグも日本で進化した和食なのです。ラーメンも中華じゃなく和食です。四千年の歴史を持つ中華料理には似たものがありますが、スープの取り方や麺のコシ、トッピングは完全オリジナルです。

21世紀の現在、日本の子供たちが晩ご飯で食べたいトップ3「カレー」、「ハンバーグ」、「ラーメン」すべて日本古来のオリジナル和食ではありません。他民族や他国の影響を受け日本に伝来した料理が日本人の好みに合わせてアレンジさせ、誕生したニュー日本食(外来和食)なのです。

日本ではあたりまえの、他民族や他国からの伝来を自国流にアレンジする自分たちの食文化として取り込む「文化の融合」は東南アジアではめったにお目にかかれません。多民族国家であるマレーシアで生活しているとこの事実を実感出来ます。

多民族が共生するためには、民族ごとの習慣、風俗そして文化や宗教を相互に敬愛していかなければなりません。しかし、民族と宗教の壁はカンタンには越えられない気高さを持っています。どうすればお互い仲良く共生出来るか?多民族国家では過去に何度もこういう壁にぶち当たってきて出した答えが「不可侵」という考え方なのです。干渉し合わないこと、悪く言えば「無関心」、「興味を持たない」とも言えるでしょう。

マレーシアで生活しているイスラム教を信仰するマレー人は、マレー料理を食べています。中華系マレーシア人は中華料理を食べています。インド系マレーシア人はインド料理を食べています。もちろん、たまには人づきあいで中華系マレーシア人がインド人のカレー料理を食べることもありますがそれは、その場その時限りで朝・昼・夜三食ともインド料理を食べることのできるチャイニーズは極マレにしかいません。

他民族や他国の料理を、自分たちのメニューにアレンジすることもなく、先祖伝来伝わってきている民族料理のレシピをかたくなに守っています。つまり、伝統的な食文化が各民族に浸透しているのです。唯一の例外として民族や宗教の壁を越えることのできる食事メニューがあります。KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)やマクドナルド、ピザハットという世界的外食チェーンです。

レシピ、調理方法、食材、宣伝、接客方法すべてマニュアルどおりに運営すれば世界同一基準で料理を提供できるチェーン店は東南アジア諸国で成功をおさめています。しかし、これは文化の融合ではなく、強固な大手外国資本の進出を受け入れたことにしか過ぎません。悪く言えば「他国経済に侵略」されてしまったということです。フランチャイズ契約をした各国の資本家には利益が供与されますが、旗本の本部にはロィヤリティの名目で多額の金が環流されているのです。

ネパールの西洋朝食を書いているのに、ずいぶん遠くの世界経済の話まで飛んじゃいましたね。ネパールにはKFCもマックもピザハット店舗を展開していません。そのかわり今日ご紹介した西洋朝食をはじめ、先日紹介したサンドイッチ、パスタ、本格的なピザ、ステーキなどの西洋料理が地元のスパイスやソースに組み合わされてかなり高いレベルで提供されています。

東南アジア(ASEAN諸国)では見かけられない、他民族・他国の料理をローカル・テイスト(地元の味)に融合させる食文化はまさにお見事!というしかありません。天然資源を持たない日本は産業革命以降、他国のマネからオリジナルを開発し加工貿易によって外貨を獲得し今日の技術立国ニッポンの基礎を作ってきました。産業と食文化では大きな差があるのかもしれませんが外来産のモノを自国流にアレンジするコトができるネパール。この国のこうした文化の融合を可能にする柔軟な国民性を感じたりしていると将来きっと経済発展を遂げる可能性を秘めた国家なんだろうな〜と思いました。

前編はココまでですが、このネパール西洋朝食には続編があります。お楽しみに!後編ではネパールの底力をあらためて感じる衝撃のメニューを紹介します。

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