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海外ケータイ生活のススメ ネパール編

「えぇっ!?!」それってマジですか?本章「海外ケータイ生活のススメ」ネパール編の取材をしていてあまりの事態に疑問詞と感嘆詞を連発してしまいました。結論から先に申し上げますが、西暦2004年11月末現在、ネパールで販売されているGSM携帯のプリペイド方式のSIMカードは市場に出回っていません。

驚くべき事実ですが、真実です。プリペイドのSIMカードを新規で購入することはできませんが、通話のためのトップアップ(度数追加プリペイド)カードは、街のあちこちで販売されています。NAMASTEという名のネパール携帯電話回線会社が発行している「ナマステ510/ナマステ1020」(500ルピー買うと10ルピー通話サービスがついてくる。同じく千ルピーだと20ルピーのオマケ)という2種類のカードです。

本章は2004年に書かれた記事であり、当時のネパールは王家のスキャンダルとマオイストたちによるゲリラ活動による内戦が相次いでいました。経済的にも観光業も低迷していた時期です。スマートフォンはもちろんガラケーと呼ばれるGSM携帯なども高嶺の花だった時期です。したがって、2016年現在ではまったく記事と違う現状であります。最新情報を現地で確かめて下さい。(2016年8月8日追記)

ネパールで新規プリペイドSIMカードを入手するのは・・・

実は、携帯通信インフラ(携帯基地局とアンテナの増設)がケータイ利用者の需要に追いつかないため、新規プリペイドSIMカードの発行を制限しているそうです。複数の携帯回線会社がひしめき競合を行っている日本やマレーシアの常識からは考えられない、のんびりしたインフラ計画です。というのも、ネパールの国営電話会社「NTC」(ネパール・テレ・コミュニケーション)が一社独占でケータイビジネスを担っているため、国民はノーチョイスで待たなきゃならないのです。

3~4ヶ月に1回の割合で、ナマステ携帯プリペイド新規SIMカードが発行されるそうです。予告もないため、予想のつかない入荷待ちを強いられる携帯販売店は「耐えて忍ぶ」しかないそうです。(笑)

前回、9月に新規SIMカードが5万枚限定で発売され市場に投入されましたが2日間で売り切れ!となったそうです。価格は、1700ルピー(通話料金500ルピー含む)だったそうですから、周辺各国と比較して高すぎるコトもなければ安すぎることもありません。一社独占の割りには良心的な料金ですが、ネパール国民の収入からすると高価な買い物であることは間違いありません。

限定された枚数の人気商品。これって人気歌手のコンサートのチケットとか、観戦希望者の殺到するサッカーの入場券に似ていると思いませんか?専門のダフ屋さんが価格をつり上げヤミで売る「プレミアチケット」の流通が暗黙の了解になっている人気のチケットそっくりですね~そうなんです。

ネパールのプリペイド携帯新規SIMカード(スターターパック)が5万枚市場に出たとしても「ホントに必要な庶民」が購入できるのはごくわずかなのです。

ほとんどは業者さんが現金をかき集めて買えるだけ仕入れ込んで、正規流通価格にたんまりマージンを載っけて売っているんです。1700ルピーの希望小売価格が品切れになった発売終了翌日にはいきなり2500ルピー(700ルピーの上乗せ)から価格がつり上がり始め、あっという間に3000になり、市場からSIMカードの姿が完全に消え、どうしても欲しいヒトのために4000ルピーという価格がつけられるそうです。

まぁ、4000ルピーといっても日本円に換算して6000円弱ですから、お金持ちの日本人にとっては「安い買い物」なのかも知れませんが・・・もともとの値段は2500円です。その差額3500円なり。コレだけの金額があればネパールで何日ホテルに泊まって美味しいモノ食べることができるか?と考えると悲しく空しくなってしまいます。

プリペイド追加カード現物。ナマステカード/510。使い方は裏面の説明書きをよく読めば正しく使えます

上の写真は、街のあちこちで流通しているナマステカード(プリペイド通話追加)です。使い方、トップアップの方法はごくカンタン。袋を破って裏のグレーの部分をコインで削ってPINコード(暗証番号)を説明書にしたがって打ち込むだけです。英語でキチンと書かれていますからご安心下さい。

通話料金は、送信1分あたり4.90ルピー、受信にも1.90ルピー必要です。このナマステカードの販売価格もマチマチで「ナマステ・510」が550ルピーで売られていることもあります。正規販売代理店では、500ルピーで売られているのですが、仕入れ契約をしていないヤミ販売店がマージンを載っけて売っているのです。

最近は当局の取り締まり強化によりヤミ販売店は減少傾向にありますが、ナニがあっても不思議じゃないのがネパールの流通です。もしも、トップアップカードを買う時に不当な料金を告げられたら黙って立ち去り、正規販売店を探し定価で購入して下さいね。

お伝えした通り、2004年11月末現在ネパールでの新規プリペイドSIMカードの入手は、ブラックマーケット(闇市)に頼らざるをえません。次回、正規流通品の発売は未定だそうです。どうしても、手に入れたい方はその道の方にご相談下さい。

それと、お仕事やどうしても連絡が必要だ!とおっしゃる方にはナマステ・通常携帯回線をオススメします。このサービスは、ネパール国民のみならず外国人も申し込めば回線が与えられるそうですからご安心下さい。価格は新規申し込み時に7500ルピーで月々の基本料金が500ルピーかかります。

プリペイドの回線は、現在インフラ整備が需要に追いつかないため通話が混雑する時間帯はほとんどつながらない最悪な状況ですが、通常回線には通話帯がキチンと確保されておりつながりやすいと評判です。おまけに、通話コストもプリペイドに比較すると安く設定されているのでたくさん使うヒトは通常回線の契約をされた方がお得です。ただし、毎月の支払いアカウントの請求残高が500ルピーを超えてしまうと、支払日以前でも通話がカットされてしまうのでコマメに支払う必要があります。

ネパールのケータイ普及は始まったばかりです。街角でケータイ片手に歩いているヒトなんてほとんど見かけません。海外からやって来た旅行者が運良く、プリペイドのSIMカードのスターターパックを希望小売価格の1700ルピーで購入できたとしたら・・・国を離れる前にブラックマーケットに高く売ることをお忘れなく。儲かりませっ!(2004年12月3日作成)