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棟梁は無愛想だけど腕は超一流。ダテに25年を過ごしていません。アッパレ!樹の彫刻師
ポカラの郊外で立ち寄った木彫り工房からのレポートです。この工房では、インテリアおよびエクステリアに使用する実用的なドアや家具に使う芸術価値の高い彫刻を行っていました。上の写真がこの工房のオーナーでもあり、一番腕の立つ職人さんの棟梁です。声をかけ、写真の撮影を許可していただきました。
コンコン叩いて粗彫り、神経を集中させて手彫りでカタチを創ります
機能的でシンプルな彫刻刀を木槌でコンコン打ち込みながら彫りすすみます。棟梁はこの道25年のベテランでしたが、新参者のお弟子さんでもこの道10年の年季の入ったプロでした。2次元的な作品なのに、立体感が醸し出されているのですが下書きやサンプル見本、設計図らしきモノは見あたりませんでした。

棟梁にどうやってデザインを彫塑しているのですか?と尋ねたら「お若いの!ワシのアタマの中に刻まれておるのじゃフォフォフォ〜」と一笑に伏されました。ヒンドゥー教の神や仏教の仏像をモチーフにしたレリーフには独特の決まり事や、表情や感情表現まで職人さんのアタマの中に記憶されているとは・・・おそれいりました!
彫って磨いて、塗って磨いて、また塗って仕上げます。全工程手作業であるコトはいうまでもありません
彫刻が終わると、サンドペーパーを使って滑らかな表面仕上げに入ります。奥さまが磨き担当職人。ご夫婦の阿吽(あうん)の呼吸で見事な彫刻扉が仕上がります。インテリアに用いる彫刻は、磨きあげた白木のままで完成!するモノもあるそうです。エクステリアに使われる扉や窓の装飾品は、磨きの後塗装され再び磨きがかけられ、ニスを塗って完成という防水処理が施されます。
価値を決めるのは彫りの細かさ。サイズの大小だけで値段は決められない
ネパールの伝統的な建築文化を継承するクジャクが使われた通し窓。とても手の込んだ彫刻が細部に渡って刻み込まれています。実用的な窓飾りですが、芸術価値満点です。小さなモノほどその彫塑テクニックは難しくなり、大きいから高価だとは限らないそうです。

近年になり、ネパールで歴史的建造物を復元するための建築プロジェクトが進められていますが、彫刻技の伝承が大きく役立っているそうです。言い替えれば、こうした職人さんたちの技がなければ成し遂げられない復刻プロジェクトなのだそうです。
芸術度の高いドアや、欄間飾り。完成まで半年かかる力作も珍しくない
宗教的な意味合いの強い扉。家内安全・子孫繁栄などの家運上昇の願いを込めて新築建物の施主さんからオーダーが入り、構図を決めて制作に取りかかるそうです。手の込んだドアなら完成まで半年待ちもザラだそうです。ポカラの中心から車で10分の工房。タクシーの運転手さんに住所を見せれば連れて行ってもらえるはずですから、時間のある方は是非訪ねてみてください。
お店の看板を目印に探してみるのも旅の想い出になりそうですな
CHIR RATNA WOOD CARVING
New Road, Pokhara -9, Nepal
TEL 61-52-2572

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