HDR(ハイダイナミックレンジ合成)の作り方
- 前項で紹介したHDRと呼ばれているハイダイナミックレンジ合成(high dynamic range imaging)、の作り方を教えて欲しいという問合せを多数いただいたので、3回シリーズで作り方をお届けします。
- オリンパスの最新デジカメには、ドラマティックトーンというHDR風に撮影する電子フィルターが装着されています。手っ取り早くHDRを楽しみたい方は、新しいオリンパスの高級カメラを買えばイイんですが・・・
- 本章では、今ある使い慣れた自分のカメラでHDR合成写真を楽しめる裏技テクニックを説明します。用意するのは露出の違う同一トリミングの写真を3~5枚とHDR加工ソフトだけです。
- 露出の違う写真とは、カメラにAEブラケット(露出を変化させる連続撮影機能)を使って撮ります。ブラケット機能がなければ、マニュアルで普通の写真と、暗めの写真と、明るめの写真を撮ります。
- ブラケット機能を使ったことがない方は、マニュアルを探すなりして設定方法を見つけて下さい。同一トリミングの写真(同じ構図)の写真を撮るためには、三脚でカメラを固定して撮影するのが好ましい。
- ブラケット撮影による露出の違う写真が、どのように撮れるか?下記にその見本を掲示し解説しているので参考にしていただきたい。普通の写真は、空とか明るいモノ、暗いモノどちらかしか表現できないのでR。
- 焦点距離:24mm 露出ブラケット撮影:±1.0の5段階HDR合成 ISO感度:100 機材:オリンパスE-3
HDR合成による画像 | 普通に撮ると空は白く影は暗い |
いわゆるHDR(ハイダイナミックレンジ合成)を表現した効果を狙った画像加工をした完成写真。 空は青く表現しながら、影の部分である門の中の仏像も確認できる。 |
露出補正±0 絞り値f3.2 シャッター速度 1/100 普通に絞り優先で撮影してみると、空は白く、影の部分は暗く写ってしまう。ごく普通の写真となる。 |
2段階露出オーバー | 1段階露出オーバー |
露出補正+2 絞り値f2.8 シャッター速度 1/30 極端な露出オーバーな設定をすると、門の中でにらみをきかす「阿吽」の仏像が確認できる。 |
露出補正+1 絞り値f2.8 シャッター速度 1/60 やや露出オーバーに設定すると影の部分が自然に映るが、光の部分は白く飛びすぎてしまう。 |
1段階アンダー | 2段階アンダー |
露出補正-1 絞り値f4.0 シャッター速度 1/125 やや露出をアンダー(下げる)にすると、光と影の部分が強調されくっきり分かれる仕上がりになる。 |
露出補正-2 絞り値f4.5 シャッター速度 1/200 極端な露出アンダーな設定にすると、快晴の空が青く映り、門の向こう側の景色もシャープになる。 |
大阪と京都の府境にある高槻市の神峯山寺にて