
屋台の掟 秩序ある華人系マレーシアンの屋台村
マレーシアの屋台村は「ホーカーズ」と親しみをこめた名で呼ばれています。ホーカーズには2~30件の屋台がテナント入居しています。広大な駐車場を併設し50店舗を越える巨大なホーカーズもあります。4~5件程度の屋台を包括する小さなお店をコピショップ(英語:コーヒーショップ・中華語:コピティヤム)と呼びます。
中華系マレーシア人の屋台村には、きびしい掟がありワンタンミーはこの店、チャクエティヤオはあの店と一店一品主義が徹底されています。つまりひとつのホーカーズで、同じメニューを売る屋台が一件しかないのです。ムダな競合を避ける秩序ある屋台村と言えるでしょう。

ミーゴレン屋台が横に並ぶマレー系の屋台村?
一方でマレー系マレーシア人の屋台村には、こうした秩序が無く、ミーゴレン(やきそば)など同じメニューの店が横に3軒並んだりしています。食習慣の違いなのか?「味くらべ・サービス合戦」など競合という概念がないのか?同じ屋台村に複数の同じメニューが売られているケースが目立ちます。
特殊なケースですがマラッカには初代植民地支配者の末裔であるポルトガル人の子孫たちが暮らすポルトガル村があります。この村にはシーフードレストランがずらり10件ほど並んでいます。チリクラブ(蟹料理)やイカンバカール(焼き魚)を提供する店ばかりなので、客引きがすさまじいので有名です。
同じく、マラッカの南部海岸線にはセルカムやウンバイというイスラム教徒の食の掟「ハラル」に適合したマレー系マレーシア人たちのテナント入居したシーフード屋台村があります。広大な駐車場があるのですが、なぜか客引きはさほど激しくありません。宗教的?民族性の違いによるものか?
いずれにせよ、B級グルメを堪能するなら「屋台」をおいて他にない!と言いきっても良いほど『安い・美味い・早い』の三拍子が揃っているのが屋台料理を味わう醍醐味です。
