イカンゴレンチリ(白身魚の唐揚げチリソース添え)
プラナカン料理とも呼ばれるニョニャ料理のメインディッシュ「イカン・ゴレン・チリ」。語源はマレー語で、イカンは「魚」ゴレンは「唐揚げ」チリ「チリソース」を意味します。日本語にすると「白身魚の唐揚げ、甘辛のチリソース添え」となります。
素揚げにした魚に載せるチリソースは、甘みと辛みを挽きだした油で炒めたサンバルチリと呼ばれています。日本で一世を風靡した「食べるラー油」のように白いごはんのお供に相性抜群です。ふりかけ感覚でごはんにからませて食べるとついお代わりをしてしまうほどイケるお味です。
白身魚のぶつ切りをする際アタマと尻尾のパーツは来客用の食卓には向きませんが、家庭で食べるには美味しくいただける部位です。カリカリと揚がった白身魚のクリスピーな皮と辛口チリソースが妙にマッチしたイカンゴレンチリ。お酒のお供として肴に、またメインディッシュのおかずにぜひ召し上がっていただきたい逸品です。
イカン・ゴレン・チリの作り方
イカンゴレンチリに使う魚は、日本の近海で獲れる魚に例えるとサワラとか鯛、スズキ、ブリ、マナガツオ、アジなどがよく合います。サワラを例にとって調理法の説明をいたしましょう。
まずサワラ(マレー語ではテンギリと呼ぶ)の頭を落とし、エラとはらわたを掃除します。背ビレ、胸ビレを落としたら骨付きのまま厚さ1センチほどに大きさを揃え輪切りスタイルでぶつ切りします。軽く塩コショウをして冷蔵庫で1時間ほど寝かせます。
この間にチリソースを作っておきます。赤いフレッシュチリ、乾燥唐辛子(タカの爪)、小タマネギ、ニンニクを一緒にしてフードプロセッサーにかけペースト状になるまでじっくり挽きます。出来上がったチリペーストをサンバルチリと呼びます。ソースパン(フライパン)に油を大さじ1杯入れ熱した後、みじん切りしたガーリックを入れ香りが出てきたらサンバルチリを大さじ2~3杯加え強火のまま辛みを引き出します。
サンバルチリがグツグツしてきたら火を弱め、砂糖・塩を加え味を調えます。少々甘めに仕上げるのがコツ。サンバルチリがキツネ色に焦げて香ばしい臭いがしてきたらチリソースの出来上がりです。
さて、白身魚の唐揚げに取りかかりましょう。大きめの中華鍋にタップリ油を注ぎ160度まで加熱します。寝かせておいたサワラの切り身の水分を拭き取って素のまま入れて唐揚げにします。低温でじっくり揚げていき、魚が浮かび上がってきたら水分が抜けた証拠です。
仕上げに油を180度まで再加熱し表面にキツネ色の焦げ目をつけたら唐揚げの出来上がりです。ザルにとって油を切ります。唐揚げの上に用意しておいたサンバルチリをコッテリとのせるとイカンゴレンチリの完成です。