サテ(マレー風串焼き・やきとり)
「サテ」とはマレー語の広義で『串焼き』の意味ですが、狭義では『マレー風ヤキトリ』を意味します。多民族国家マレーシアでは宗教上の理由でブタ肉がダメ(モスリム)とか牛肉がダメ(ヒンドゥ教)な方が多いので「アヤム」鶏肉のサテはオールマイティーで、重宝されています。
小さく切った肉片を串に刺し、原則として炭火焼き仕上げ。独特の香辛料を使ってマリネしてから、焼き上がった串を「甘めのピーナッツソース」にディップして食べるのがローカルスタイル。焼き鳥の皮や脂身をこそぎ落としているので、ヘルシーな焼き鳥だといえるでしょう。
たまには、塩!で食べたいマレーシアのサテ?
マレーシアのサテは、レアな焼き加減のモノを食べない食習慣のためオーバー・ウェルダンに焼きあげられています。肉汁重視主義、ジューシーな焼き鳥をお好みの方には期待はずれとなるかもしれません。また、ピーナツソースは甘めで、口に合わない方も多いと推察します。
そんなときは、ソースなしでそのまま食べるのもアリ。マレーシアに駐在勤務とかMM2Hで長期滞在している方ならおわかりいただけると思いますが「頼むからソースをつけずにそのまま焼いて、塩で食べたい!」と言いたくなるときもあります。
サテはビールやワインなどの酒の肴にピッタリなのですが、モスリムが経営しているサテ屋台ではビールを含むすべてのアルコールが御法度です。地元のイスラム教徒さんは、コーラとか紅茶を飲みながらサテを食べてます。一流ホテルもしくは中華系マレーシア人の経営するお店ならば、サテを食べながらビールを飲むのも可能です。覚えておいてください。
中華系マレーシア人のサテにはブタ肉の串焼きもあります
肉汁たっぷり系で適度な脂身のサテ屋さんがマラッカにあります。お店のオーナーは、中華系マレーシア人。中華系のサテ屋さんだから、イスラム教徒が「食」を禁じている「ブタ肉」のサテがメインメニューです。ブタのロース肉、バラ肉、ホルモン、肝、心臓、それに鶏肉がズラリとラインナップされています。
筆者のお気に入りは、ダブル脂身入りブタ串焼き(特別注文:同料金です)、ミディアムレアな肝、小さなこてっちゃん(ホルモン)の三種類です。注文の際、とりあえず最初はミックス(混合)とオーダーしてみましょう。自分で食べ比べてみて気に入った串焼きが見つかったら、その串を見せて追加を頼みましょう。
「3本ください」などと注文してはいけません。5本か10本単位でオーダーしましょう。1本あたりの肉の量が少ないから、普通の方なら20本はいけるはずです。食べ残した串の数はカウントされません。会計時には食べた数だけ計算されます。新味香サテ屋 Sun May Hiong Satay House お店の詳細・地図はコチラから
サテ料理の脇役クトゥパッ(マレー語:Ketupat)
クトゥパッ(マレー語:Ketupat)は主役になれない名脇役でサテ(マレー風串焼き)には欠かせないお米の料理です。ニッパ椰子を裂くようにして開き、クルクルっと輪にして、上下交互に編み込んだ中に、洗ったもち米(または米)を入れて茹で上げて作ります。
米が椰子の葉っぱの中で調理される時、膨張します。このためパンパンに米が膨らんで堅いモチのようにギュッと圧縮されます。出来上がったら、ナイフで四つに切ってサテソースに浸して食します。
マレー語の綴りでKetupatクトゥパットの最後のtは発音しないのでクトゥパッと読んでください。