カンコンブラチャンとは空心菜を使った激辛青菜炒め
「カンコン」は青菜系の空芯(くうしん)野菜の一種でマレーシアではポピュラーな野菜です。葉っぱの部分は長さ8~10センチ、幅は広いところでも1センチちょっとしかない細長いシェイプになっています。笹の葉っぱに似ています。
カンコンの幹にあたる太い茎は、硬すぎるので料理には使えません。マーケットでカンコンを買ってきてもそのまま使えるわけではなく、根気よく若くて細い茎と葉っぱをより分けてちぎって準備する必要があります。めんどうですが、この手順を踏まないと柔らかくってシャキッとした美味しい料理に仕上がらないのです。
カンコンブラチャンの料理レシピと調理手順
カンコンの仕分け準備ができたら調味料を用意しておきましょう。
- 太い茎をより分けちぎったカンコン(空心菜)
- 調味油、サラダ油でOK お椀一杯
- サンバルブラチャン 大さじ2杯
- フレッシュチリ(なければ鷹の爪) 適量
- 砂糖と塩・コショウ
サンバルブラチャンとは生の赤唐辛子と乾燥アミエビを混ぜたペーストで瓶入りの市販品がマラッカで売っています。まず、中華鍋を乾煎りして、調味油をお椀一杯ほど入れ鍋に馴染ませて油はお椀に元に戻します。戻したお椀の油を大さじ2杯ほど中華鍋に入れて温度が上がったらサンバル・ブラチャン・チリ(市販品があります)を中火で混ぜながら炒めて香りを引き出します。
サンバルチリが焦げて油と馴染んできたら弱火にして、砂糖と塩で味付けします。ココから強火で瞬間勝負です!ドサッと一気にカンコンと輪切りにしたチリを中華鍋に入れて油とチリとカンコンを勢いよく和える要領で炒めます。時間にして15~20秒。長く炒め過ぎるとカンコンの水分が出すぎてシナシナになり歯ごたえのない状態になっちゃうので一気に炒めたら火から下ろしてお皿に盛ってください。
以上、ベーシックな料理方法ですが、お店や家庭によってはいろいろアレンジされます。細長い白身魚の背骨をカリカリに揚げた「ソーテッドフィッシュ」をトッピングしたり、小エビをカンコンといっしょに炒めたりします。他にも応用で乾燥エビを水で戻したモノを唐揚げにしたモノや、ブタ肉の三枚肉の脂の部分をサイコロ状にカットしカリカリになるまでじっくり揚げたモノを和えたりしてアレンジされています。
くしゃみと涙を誘う激辛青空心菜炒め?
慣れないうちはカンコン・ブラチャンの料理をしている時に隣で見ているとくしゃみや、涙が出たりします。香辛料が油で炒められ空中を舞うからです。コショウが風に乗ってきた時や、タマネギのみじん切りを刻んできいる時の症状に似ています。免疫のない方は激しい咳が出ることもあります。
少し慣れてくると、キッチンから流れてくるブラチャンの焦げた匂いを嗅ぐだけで「こりゃ、カンコンブラチャン炒めているな~」と余裕が出てきます。サンバルブラチャン中毒の初期症状?そしてカンコンブラチャンに慣れ親しんでしまうと、マレーシアを離れ日本へ帰国した時など「カンコンブラチャン食べたい~!」と末期症状に気がつきます。懐かしんでよだれと、涙が出てくるようになります。(笑)
中毒症状にも陥る、空心菜炒め「カンコンブラチャン」ですが誰にでも好かれるお料理ではありません。香辛料「サンバル・ブラチャン」は激辛だし、独特のニオイがあります。おっかなびっくり最初に食べるときは抵抗を感じる方も多いようです。しかし、慣れるとクセになるがカンコンブラチャン。アツアツの白いごはんと共に汁ごと召し上がって下さい。激ウマ!