ポカラの街を散歩していると、普段見慣れない鳥たちと出会えます。ヒマラヤ山脈を背景に優雅な姿で飛翔している「イーグル」もハンパな数ではありません。日本でもお馴染みのカラスや雀も見かけます。アジアでは定番のニワトリの放し飼いもごくあたりまえの風景ですが、今日出会ったのはひと味違った鳥たちでした。
まさに「駕籠の鳥」状態、色鮮やかなインコたちです。トロピカルカラーのインコは、まさに図鑑から飛び出てきたばかりのようなキレイな姿をしています。体を覆う黄緑色のきれいな羽、ピンク色と黒のツートンカラーに塗り分けられたクチバシ、そしてピンと伸びきった青みがかった尾羽。
こういう状態から推察するとつい昨日までのびのびとポカラの自然の中で生活していた野生のインコに間違いありません。駕籠の中で育てられたトリなら、こんなにノビノビした羽を保てるわけありません。ワナにハマって捕らえられたインコたち。青空マーケットの駕籠の中で飼い主に買われていくのをジッと待っているのです。
家畜として放し飼いにされているアヒル。大通りから一歩奥に入った生活道路ですが、行き交う車やオートバイの数も少なくありません。彼らは交通安全の指導を受けたのか?それとも祖先から受け継ぐ「DNA」に刻み込まれた情報によってなのか?理由はわかりませんが、車が来るとちゃんと避けるし道を横断する時も左右の安全確認をしてから進みます。
「車は急に止まれない」という交通ルールを知っているかのような振る舞いには頭が下がります。
アヒルだけじゃなく、放し飼いにされているニワトリも、牛も、ブタも、ヤギも交通ルールを理解しているように思います。地元の人たちは「彼らは、スクールで学んでいる」と言っています。なるほど・・・
マヘンドラケーブから更に10分ほど奥に入ったチャメル洞窟で見つけたコウモリの昼寝。その総数、かるく二千を越えているそうです。「野鳥の会」の皆さんなら、昼寝しているコウモリを数えられたはずですね。(笑)
近くによって見つめると、鍾乳洞の小さな突起に足の爪を引っかけ、薄く長い羽を折りたたんでぶら下がっている表情までじっくり観察する事ができます。退化した視力を補うための聴力は彼らの生命線。まるでパラボラアンテナのように発達した耳はさすがにデカイですね。
悪魔の手先のような、目・鼻・口元をしていますが、吸血したり噛みつくなど人間を襲ったりしないそうです。だからこそ、彼らは多くの人が出入りする鍾乳洞でのんびり昼寝ができているのでしょう。豹(ヒョウ)やトラは退治され人里近くでは野生の彼らを見かける事ができません。人間を襲う危険性があるから駆除されてしまうのでしょう。食物連鎖の頂点にいるはずの彼らを駆除する人間こそが自然界でもっとも怖ろしい存在なんですね。