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  4. 宗教アート木彫工房 木に宿る魂を引き出す木彫り職人
木を見つめ、木と対話しながら彫塑に熱中する彫刻師

ノミを木槌でコンコン打つ。彫刻刀でカリカリ・サクサク木を削って立体3D(三次元)の仏像を彫塑している職人さん。カトマンズのタメル地区にほど近い宗教アートの木彫工房を訪ねました。

ノミや彫刻刀などの道具を見えれば職人さんのレベルが知れる。手入れの行きとどいた道具たち。かなり高度な技を持った職人さんとお見受けしました

信仰心のなせる技。職人さんは写真を撮り続けている私に仏(仏教)や神々(ヒンドゥ教)の解説をしてくれました。「Tony、この仏はこういう気持ちで、この世に姿を現している」、「あの神さまは、こういう気質なのでこういう表情を見せるはずだ」と信仰の遥か往きつく先を見つめながら手を動かしているようでした。

コンコン、カツカツ、シュッシュと木を削る音のリズムが心地よい

木を見つめ、木と会話し、木の精(魂)を引きだしているような気合いを感じました。別の言い方をすると、木に宿る精を引き出すために余分な部分を切ったり削ったりすることにより魂を開放した結果「仏さま」の姿が現れる。これが彼らの彫刻作業の神髄なのではないでしょうか?

年代モノの足踏み動力糸のこぎりマシンは先代が考案した逸品

足踏み式の、糸のこぎり。小物の彫刻物を荒削りする際に重宝している糸のこぎりは、若手職人さんたちの先代が考案した文明の利器だそうです。原動力は足踏みミシンと同じ原理で上下に糸ノコを動かしており、反発させる力には大リーグボール養成ギプス(古い!)に使うような強力なスプリングが採用されています。博物館に並びそうな年代モノですが立派に現役で動いています。

Mr.Punya Raj Bajracharyaさん。彫刻アーティストとしてネパール国家文化財修復プロジェクトにも招聘されている高名な彫師です

上の写真は若手職人さんの実父であり師匠でもあるMr.Punya Raj Bajracharyaさん。彫刻アーティストとしてネパール国家文化財修復プロジェクトにも招聘されている高名な彫師です。師匠はカトマンズで私費を投じて彫刻学校を開設し、やる気のある弟子を集め伝統工芸の伝承にも取り組む文化人でもあります。教え子は、立派に独り立ちしておりカトマンズのあちこちで工房を開いているそうです。

お店の場所がわからなければ、タクシーかリキシャに住所を見せて連れて行ってもらってください

タメルのちょっと外れに位置するお店。写真では紹介していませんが師匠がオリジナルで考案しイメージを膨らませ完成まで2年の月日をかけたスゴイ木彫りの仏像や、神さまのオブジェがズラリと並んでいます。

値段もピンキリです。弟子や、彫刻学校の生徒さんたちが製作したフォトフレームなら安価で150ルピーぐらいで購入できますが、オヤジさんがチカラを注いだブッダをモチーフにした創作アートなら35万ルピー(5000アメリカドル以上)の値を付けています。

しかし筆者にはそれ以上の価値、言い過ぎかも知れませんが国宝級の芸術品のような感じに見受けられました。みやげ物屋さんじゃなく木彫り工房ですから押し売りされることは絶対にありません。安心して、目の保養のつもりで訪ねてみてください。一見の価値ありです!

PURNA WORK SHOP
Thamel, Satghumti, Paknajol, Ktm Nepal
TEL 977-1-470-0052