カトマンズの夜は短い。南国マラッカとの比較は一概にできないと思いますが午後10時を過ぎると外国人観光客も多いタメル地区でさえ静けさに包まれます。もちろん、パブや飲み屋さんは開いていますが基本的に食事が楽しめるレストランは閉店しています。賑やかな音楽は自粛されるのか?街はシーンとしてしまいます。街の様子はどんなんだろう?ブラブラしてみようかなと、日没後のカトマンズを散歩してみました。
タメル地区を突ききって、元気よく外に出たのは良いんですが・・・いきなり方向を見失ってしまいました。鉄道員(ポッポ屋)を著された作家の浅田次郎氏の小説「地下鉄(メトロ)に乗って」のシーンを思い出しました。
主人公が何かの拍子に昔にタイムスリップしてしまい自分の過去と現在、そして未来を綴ったストーリー。色、音、人々の服装が異国情緒に包まれ時代感覚が遠退いていった感じです。
ホントに2004年の今日なのか?それとも別の時代にタイムスリップして過去に来ちゃったんだろうか?確かめる術もなく、たどりついた初めて歩くレトロな街の散策を楽しんできました。
長い夜店の屋台を抜けてくると、見慣れたネパールっぽい風景に戻って来るコトができました。ホッと一安心したのはいうまでもありません。昼間に見るのとはひと味違う印象でした。写真には載っていませんがこの周辺も野菜や布を売る夜店がグルリと並び、周囲を囲んでいました。
観光客の街、タメルに戻ってくると照明も明るくなり、道路もデコボコの少ない舗装道路でいきなり歩きやすくなります。売っている商品も実用性や機能性より、希少性・修飾性などのデザインや艶やかさがウェイトを占めそれに比例するかのように値段も一ケタ跳ね上がります。
外国人観光客を相手にしたネパールっぽいお土産がズラリと並んでいます。ローカルの人たちの夜店に対して値段が高いといっても日本円に換算すれば、物価が安い街なのですから激安価格で売られています。家賃、スタッフの人件費、流通経費などをコストに加算すると日本で売られている商品が高額に設定されているのは致し方ないと考えています。
しかし、日本と違ってネパールのお店には正札が付いていません。定価とか希望小売価格のないお土産物は売り手と買い手の心理作戦を含む駆け引きによって売価が決定するゲームのようなショッピングなのです。安く買いたいお客さんと、少しでも利益を積み上げたい商人の争いは結構見ていて楽しいです。
いくら?と聞いて、そのまま支払ってしまうお客さんもいないと思います。しかし、たまにはそういうありがたいお客さんがいるためなのか、売り手は高い金額から交渉をはじめようとします。ペースに載せられちゃったらお客さんの負けです。半額にしちゃった!と喜んでるヒトもいるかもしれませんが、元値が高ければ半額でもトクしているわけではありません。
何件か廻ってみて相場をつかむまで買わずに駆け引きして「あぁ~この辺が最安値かな?」と思ったら最初の店に戻って「ハウマッチ?」と値段を聞かずに、最安値の7割程度の値段を提示してみることです。相手が交渉してきたら脈ありです。トコトン、最安値を更新してみて下さい。